先日、江戸時代の利根川水系の重要地と世界最大級の地下治水施設に行ってきました。
ご存知の通り江戸時代以前は水路が交通・物流の道で、河川沿いが街の表(おもて)でした。今回訪れた旧関宿藩領地は利根川水運の急速な発展の中心的拠点で、河川技術を進化させ、現在の護岸工事の基盤を築き、利根川の東遷事業、人工河川江戸川の大規模な工事などが行われ、江戸の繁栄を支えました。一方、利根川、江戸川、荒川水系の低い地域では歴史的にも洪水で悩まされ、水運の無事を祈る、水の厄を避ける多くの社寺が見受けられます。
関宿は江戸幕府の水運・治水事業本部の本拠地的な位置づけで、そういう視点で「関宿城博物館内」を見ると、当時の人たちの商的努力、事業経営と労働者の様子も読み取れ、少々マニアックな歴史探訪が出来ます。
現在の話になります。利根川、江戸川、荒川の大河川に囲まれた埼玉の一部の低いエリアの洪水被害を避けるべく、世界最大級の地下治水施設「首都圏外観放水路」が埼玉県春日部市にあります。巨大建造物としての迫力は思わず息を飲むほどです。外国人の見学客はこのような施設を作り稼働させる日本・日本人に驚くようですが、排水ポンプやガスタービンの大きさには唖然とします。昔から台風や大雨による水害が多い日本、最近は扇状降水帯などが頻発し、河川近くや低い土地の住民の方は心配の種だと思いますが、地下にこのような命を守る施設を機能させている日本、誇らしくも感じました。
今、DX系の便利なツールやインフラの出現で経営が変わりました。非接触型社会環境で商業様式も変わりました。一方、何が起こるかわからない現在の企業経営。今回の小旅行でリスクヘッジ、リスクアセスメント、危機管理、クライシスマネジメントなどの重要性を改めて考えさせられました。
城主や労働者の油断が起こす破堤、失敗の積み重ねから進化した護岸工事、チームでこつこつ真面目に取り組む大規模プロジェクト完遂の感動などに感じ入った次第です。
東京都水道博物館
千葉県立関宿城博物館
首都圏外郭放水路
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